奈良のはなし
新薬師寺は非常に心惹かれる華厳宗のお寺です。こじんまりとしたスケールですが、中央に大きな薬師如来坐像が安置され、周辺には力強い十二神将像が配されています。この十二神将の持つ、個々のエネルギーとレイアウトの妙は他に類を見ない見応えです。金堂開帳により現れた光に照らされた我折羅大将(いぬ)に背筋が伸びる思いでした。
伊賀・史跡旧崇廣堂、やまほんで開催中の生活工芸展へ。やまほんの改修への手の入れ方はいつ見ても素晴らしく、原初的な素材感と風景を感じる事が出来る空間です。奈良→伊賀への道のりには、古の石灯籠が新緑の背景とのコントラストを描き、心奪われる風景が続きます。
梅雨の間の晴天。朝一番の東大寺は人1人いない贅沢な時。古の空気の中にしか生まれない美の空気を吸い込み、この場に今日まで続いた人生に感謝をする。