diary / 日記

そうはならない

2017.11.03
そうはならない30歳になる頃、ある建築プロジェクトを担当していた時の事、施主の中にインテリアデザイナーがいらっしゃった。昼光や人工照明のシミュレーションをリアル・アピアランス画像を用いてプレゼンテーションしていたが、”そうはならない!”と一喝された記憶がある。私は何故そうはならないのかを該者の経験上の言葉や理論で語って欲しかったが、彼はその言葉を持っていなかった。私はCGシミュレーションで実際とは異なる最大の要素は画角とアングル(視点の距離)だと思っている。実際の眼は画角が切れる事が無いため、回り込んでくる光や気配を感じ取っている様に思う。そして私達の視点や視野は常に動いているため空間と画はそもそも景色が異なって見える。”そうはならない!”の出来事はふと思い出した記憶ですが、体験や理論を人に伝え共感していくことの”共鳴”という作業はとても重要であることを改めて考えさせてくれた出来事でした。写真は病院の中庭からの秋の鱗雲。