日常のはなし

隠れ里にある金勝山の＜狛坂磨崖仏＞。この大きな磨崖仏は、本当に険しい道を超えた山奥に存在します。ここまで行くのも大変だけれど、彫るのはもっともっと大変です。大変の上に成り立ったものことは人の心を大きく揺さぶります。強い祈りを感じます。

お仕事をさせて頂きました武相荘への理解を深めるた め、白洲正子さんと繋がりの深い滋賀へ行ってきました。金勝寺は金粛菩薩（良弁）が開基した寺。金勝山といわれるこの地域には良弁開基の寺院が多数点在し、まさに隠れ里といった佇まいです 。良弁は東大寺の初代別当とされていますが、金勝、奈良、武相荘とありがたい御縁を感じた瞬間でした。

写真は東福寺のもので、通天橋より臥雲橋を望んだ景色を写しています。木々い覆われた広い境内に２本の橋が浮いている様な景色で、とても雄大なランドスケープです。友人や家族と互いに手を振りたくなってしまいます。景色をどう創っていくかは、昔も今も重要なテーマだと思いますが、寺院建築で見られるスケール感は、当時のならではです。