建築のはなし

ずっと使う建築

2018.05.03
ずっと使う建築富山県立美術館へ。私は内藤廣さんの建築をずっと使ってもらえそうな建築で、極端に言えば東京国立博物館の様に古くなっても重厚さで圧倒できる素材の重みを表現する方だと理解している。この建築も絶対、街の建築として残り続ける。そんな重みと親しみが大好きだ。

東京駅前広場

2018.03.10
東京駅前広場新しくなった東京駅前広場や久しぶりの上野公園を歩いた。東京は箱の量が多く平地で抜ける景色が非常に少ないけど、この2か所は平地が豊かなランドスケープを創出している。特に新しく出来た東京駅前広場は本当に気持ちのいい場所でびっくりした。背景には明治の文明開化の象徴である赤レンガの東京駅と21世紀経済の象徴である丸の内のオフィス街の素敵なコントラスト。3種類の高さやフォルムの違うポール灯はピッチもそれぞれにゆとりを持って配置されている。東京の玄関は世界に誇れる素敵な場所になっていた。
橘寺の光橘寺本堂は、日本座敷内においての光は障子を通してほんのり明るく忍びこみ、鈍い間接光が明度の弱い砂壁や経年で黒ずんだ柱に反射し、奥に行けば行くほど覚束無い仄暗さへと変化していく。通常仏像はその覚束無い光の中に祀られていて、現代では正面からの人工照明で対峙した際の表情を魅せてくれることが多い。橘寺本堂の本尊聖徳太子像は奥座敷に祀られているにも関わらず両側からの障子を通過した間接光で、見るに人工照明を必要としない不思議なお堂です。写真は岡寺弥勒菩薩像の前に居られる強烈な侘びを纏う地蔵です。