光のはなし

仏頭山

2018.02.25
仏頭山写真は千の仏頭が現れ光明を放ったと言われる仏頭山の陽の光。そう言われればありがたい光に感じられるから不思議です。そこにしかない旅先の様々な太陽光は色褪せることなく記憶に刻まれます。特別な光景は記憶に働きかける強烈な力を持っていますね。
橘寺の光橘寺本堂は、日本座敷内においての光は障子を通してほんのり明るく忍びこみ、鈍い間接光が明度の弱い砂壁や経年で黒ずんだ柱に反射し、奥に行けば行くほど覚束無い仄暗さへと変化していく。通常仏像はその覚束無い光の中に祀られていて、現代では正面からの人工照明で対峙した際の表情を魅せてくれることが多い。橘寺本堂の本尊聖徳太子像は奥座敷に祀られているにも関わらず両側からの障子を通過した間接光で、見るに人工照明を必要としない不思議なお堂です。写真は岡寺弥勒菩薩像の前に居られる強烈な侘びを纏う地蔵です。

溶け込む青の線

2018.01.28
溶け込む青の線視点の中心には水平線の青とが空の青が溶け込み、その世界は闇の向こうにサバンナの様に光を帯び、輝く四角として存在する。遠くから響く怒号の様な海鳴りと共に。建築にはその場を代表するハイライトの光景がある。江浦測候所にて青が溶け込む四角い光に出逢う。