奈良のはなし

モダニズムの代表作＜丹下健三氏設計の香川県庁舎＞の風貌を思わせる建築が奈良にあります。片山光生さん設計の＜奈良県庁舎＞。木目調の仕上げ、横に長いファサード面、見上げた時の屋根形は長く愛される建築物の重厚感あるしつらえを感じます。もちろん香川県庁舎は素晴らしい建築ですが、こちらも見応えあります。興福寺、奈良公園に隣接しているので観光にいらしたときは、是非ご覧頂きたい建築です。

奈良の社寺の中でもひときわ荘厳な空気を持つ「室生寺」。室生寺の放つ空気は冬の澄み渡る空気で一層らしさを強くします。そのため、好んで毎年冬に訪れます。奥の院、常燈堂の木組みは圧巻。大分山の上に建立されている、古代木造建築の凄みです。

唐招提寺は、奈良時代建立の国宝を持つ綺麗な伽藍を拝む事ができ、個人的にも奈良で屈指の見応えのあるお寺だと思っています。写真は＜唐招提寺の観月讃仏会＞。毎年中秋の名月の日に金堂で法要が行われ、開祖・鑑真和上を奉安する御影堂の庭園では、裏千家大宗匠による大和上とお月様への献茶式が行われます。満月にうっすらと見える御影堂のしつらえは息をのむ極上の空間です。