建築のはなし

台中のカサミラ

2017.08.06
台中のカサミラ夕刻メトロポリタンの屋上に上がると、バルセロナ・カサミラのそれに似ている印象を受けた。街中の騒音と隣接する四角いビル。いくつかの有機形態の煙突の様なオブジェ。それらを照らす投光器やボラードライト。そして更にメトロポリタンへのエントランスランドスケープはバルセロナ・サグラダファミリアに似ていると感じた。バルセロナにも伊東氏の作品は多くあり、氏の中に何かバルセロナやガウディの表現要素が染み込んでいるのだろうか?興味深い発見でした。

洞窟的空間

2017.08.06
洞窟的空間メトロポリタンは平面計画で見ると、ある区域内に不規則な大小の島があり、その間が海流の様に動線となっている。この平面計画はメディアテークやメディアコスモスと非常に似ているが、メトロポリタンの固有性は、そこから更に洞窟の様に変容する構造が三次元の解放や閉鎖を生み出していることだ。三次元的回遊を扱っている空間に直面することは非常に新鮮な体験でした。

降り注ぐ光

2017.08.05
降り注ぐ光写真の様に天面の洞窟穴から光が降り注がれる様にデザインされている箇所が幾つかあった。洞窟の出口から光が入ってくる様な感覚に近く、非常にポジティブな印象の光の扱いでした。一方メトロポリタンの主要な照明手法は、波打つ表裏構造が生み出す空間ボリュームにフロアの概念を与えるべく天井蓋の様なものがある。この全面にダウンライトを配し、天井蓋の脇からはスリットの間接照明を用いる方法を選択している。これにはうまくいっていない印象を持った。折角の三次元の有機形態に全く奥行の無い光と影を採用していることが非常に勿体無く感じました。