建築のはなし

低く狭い→高く広い

2018.05.06
低く狭い→高く広い谷村美術館へ。空間動線は低く狭い回廊から高く広い展示空間へと誘う。これはルイスバラガンがアルハンブラ宮殿から考察した空間意識と同様のものだと思う。奥から、天からにじみ出る光が、空間の豊かさとなる。有機的な反射面と光の食いつきの良い白い左官壁に村野藤吾さんの狙いへの徹底を感じる。

入隅への集積

2018.05.05
入隅への集積鈴木大拙美術館へ。谷口吉生さんの建築は追い込み切るディテールの集積。思索空間の開口部付近の納まりの集積は凄かった。外と中、光と風を200mm程度の幅の中でコントロールしている。入隅に対する徹底した考察には己の力の無さを痛感する溜息しかない。

人の集う建築

2018.05.03
人の集う建築金沢21世紀美術館へ。妹島和世さんの建築は沢山の人が集う建築。円形の外形に鉛直面のシースルーとランドスケープは散歩道の傍に展示室をつくる狙いを見事に体現する。当時は世界で一番敷居の低い美術館だった様に観えてくる。モルタルは多くの人に踏みつけられ鈍く輝いていた。