diary / 日記とお知らせ

飛べる時

2017.10.27
飛べる時リハビリ病棟はお年寄りが多く、食事はグループワーキングの様な形で皆様で食べるスタイルを取っています。食事時になると集合の合図を兼ね、民謡の様な音楽が遠くから聴こえてきます。八重山の離島を連想してしまう様な、なんとも言えない哀愁を感じています。時々、思いがけない音と風景が連想し飛んで行ける時は、自分の感性が開いていることを確認できる時でもあります。写真はリハビリ棟の病床ブラケット。

人が感じていくもの

2017.10.26
人が感じていくもの新聞にはいつも”AI・IOTの文字”が載り、目にする度、私は憂鬱や不安を感じます。それは産業や職能の衰退とかそういう類のモノではなく、照明の仕事を通じて常に感じてきた灯という原始的情緒まで飲み込んでいく資本主義の恐ろしさに似ています。情緒や解析しきれない美意識、また人と人の間に起きる歪や奇跡、そういうものは時代を超えて人が生み出し感じて行くものである筈です。写真はルイスカーン・トレントンバスハウスのトップライトのスケッチ。
五感病院では、隣人の寝息、体臭、お年寄りの尿の匂い、以前記述した照明の明るさ、届くことのない昼光、廊下の物音、奇声、などの五感を刺激する不快な事象が非常に多く、とてもストレスが溜まります。それを一層してくれるのが外光や外の空気なのですが、リハビリ棟に移ってからは残念ながら窓際の病床ではなくなってしまいました。こうした状況に居ると、五感を考えることがデザインの仕事であることを改めて感じる事が出来ます。五感で鋭く捉える感性を持ち(敏感)つつ、心はストレスで揺らぐ事が無い様コントロールしたい(鈍感)という矛盾が悩ましい限りです。